ボウケンジャー感想日誌


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Task.25『禁断の果実』

ダークシャドウのお仕事は、まずはツクモガミを作る所から始まります。
毎度お馴染みでてきとーな材料を用意して制作にかかる幻のゲッコウ様。
でもそこにシズカがゴミをぶちまけてしまったせいで、元材料がなんだったか分からない位めちゃくちゃな合体品「アクタガミ」が出来上がってしまいます。う〜ん、2種類じゃなくても作れるのね。
何故かボーリング球(足にはピンが刺さってるし、ダークシャドウ、ボーリングやるのか…?)のまあるい頭がとってもキュートなアクタガミは、材料を混ぜ過ぎたせいなのか、原料の殆どがゴミなせいなのか、単なるゲッコウ様のさじ加減の失敗のせいか、ともかく素晴らしく役立たずの臭いがぷんぷん。そんな彼の特技は「どんぶりでご飯を5杯食べる事」。…主食は米なのね(^^;
でもま、自分の失敗が元…とゆうか失敗と認めたくないシズカはなんとかして彼を利用しようと必死になってます。


一方。
いつも通りサージェスサロンに集合しているボウケンジャーに、Mr.ボイスから「エデンの園の「知恵の果実」の伝承の元となったと言われている「頭が良くなる果実」が見つかった」との報告が入ります。
それは何千年かに一度、ある樹木にたった一つだけなるものなのだそうです。そんな超ロングスパンなレアアイテムの情報がよくあったな〜〜!(^^;

「それが見つかったの?」
「見つけたのは、シルバー君だ」

…てなんで、サガスナイパーを手に1人問題の樹木の前に佇む映士。
集合シーンに殆ど顔を出さず、外をふらふらしてばかりの彼に「俺様時間出勤説」が出てましたが、どうやらそれを通り越して出勤すらしてないんじゃないかと推測する今日この頃です。
用がある時だけ呼ばれたり、また何かを見つけたら報告するようにしてるって感じなのかな?…フリーランスの記者みたい。だとしたら給料体系は一体どうなってるんだろう。
えいちゃんに関しては、その他、「じっと机の前に座ってられない性質」説や、「人の多い場所が苦手」説とかも出ているようです。果てさて真実は何処に。


サガスナイパーは超プレシャスな反応を示しているものの、葡萄のような果実は樹木全体に大豊作たわわになってる状態。
「この中のひとつだけがプレシャスって訳か…」
サガスナイパーの感知範囲は意外な程までに狭いので、えいちゃん、思わずため息です。


そこにどこから情報を嗅ぎ付けたのか、先のアクタガミが登場。
えいちゃんは肩に担いでいたサガスナイパーを地面にざくっとして、変身して応戦しようとします。

……が、アクタガミくんはシルバーの元に辿り着く前にこけっとこけてしまいます。
あんまりな展開にサガスナイパーを構えたまま凍り付くシルバー。

愛想のいいアクタガミはこけた上にシルバーに要らん事までべらべら喋っちゃってシズカの怒りを買って足蹴にされちゃうんですが、ま、どの道このコンビの力ではシルバーの敵ではない感じです。

が、そこにヤイバ様が助太刀に入ってきます。

シルバーと一騎打ち体制に持ち込んだヤイバ様。
「高丘流の技の冴え、見せてもらうぞ」
「闇のヤイバ…聞いてるぜ、中々やるってな!!」
中々かっこいいツーショット。でもえいちゃん、真墨の宿命のライバルを取らないように!(笑)
つか、アシュの存在すら知らなかったヤイバが高丘家を知っていたとは思えない。「高丘家は代々(自分をこてんぱんにした)アシュの監視者をやってる家系」程度の情報しかもってない気がする。

ヤイバがシルバーの足止めをしてる間にシズカとアクタガミは木の実を探そうとするんですが……どう探す気だったんだ………。

まあ、探す間もなく、
「シズカちゃん、ちょっとどいてどいて!」
脱力系の台詞で登場したミキサーヘッドを抱えたブルーwithボウケンジャー。「この木はまるごとサージェスが保存するよ」と木をまるごとなんかの物質で固めてしまいます。固められた木がすごいCGちっくで浮きまくってましたが、気にしません。

ある意味最弱コンビと言えるシズカとアクタガミの素敵なコンビネーションに業を煮やしたヤイバさんは、シルバーを打ち捨てて向こう側の戦闘にいってしまいます。
「おい、俺様との勝負はまだついてないぜ!」と怒り出すシルバー。

そーゆー勝負にはこだわらないヤイバさんは、アクタガミに時限爆弾札を貼付け、シルバーに特攻体当たりさせようとします。…シルバーひとり倒すよりも、戦っているボウケンジャーの真ん中で爆発させた方が効率的なような気がするんだけど、ま……今回はえいちゃんの主役回ですので(^^;

で、アクタガミは例の如くまたシルバーの手前で勝手にこけてしまいます。

アクタガミに貼られている札が時限爆弾札(減っていく数字が漢数字なのがグッショブ!)だと気がついたシルバーは札だけを切り裂き、上方で爆発させ難を逃れます。


アクタガミは自分が自爆させられそうになった事に全然気がついておらず、それどころか「自爆ってなに?」とシルバーに聞いて来る始末。

すっかり戦意喪失してしまったシルバーは変身を解いて、
「もうちょっと頭を使った方がいいぜ。結局この世は頭がいい奴が勝つことになってんだ」
お前に言われたかない。…と思ってしまうのは何故なんだろう(爆)
えいちゃんはおばかなのか頭がいいんだか良く分からないです。初期の頃の動き方とか見てると完全なバカではなさそうなんだけど、でも頭が切れる奴とは言い難い。まあ、少なくとも真墨よりはバカじゃないと思う。…多分(^^;

「…お前なんか倒す気もしねえ。もう帰れ!」
映士の言葉に従って素直に帰るアクタガミ。シズカとヤイバも何故か後を追って帰ってしまいます。
ま、とりあえずこれでミッションコンプリート。

この際、さくら姉さんがえいちゃんの事を「高丘さん」と呼んだ事に思いっきり萌えました。
「高丘さん」かあ、いい響き。「蒼太くん」なのに「高丘さん」。そういう順番認識なのか姉さん。うん、なんか知らないけど無駄に萌える(笑)
これであとは蒼太さんえいちゃんの事をなんて呼ぶかが分かればミッションコンプリートですね♪…記憶の限りではまだ一度も呼んだ事がないと思うんですけど。ついでに多分逆もまだ未出。


ま、そんなんで木ごと確保された筈のプレシャスでしたが、何故か該当する果実が見つからなくて、首を傾げる牧野先生。
それもその筈。プレシャスは偶然アクタガミが手に入れていたのです。


そのアクタガミ。
ポカをやりまくったせいで、シズカに「本日はご飯抜き!」と言われた上に足蹴にされアジトから外に追い出されてしまいます。ツクモガミがお腹がすいたりご飯をたべたりする事自体にまず驚いたんですが(笑)
そしてゲッコウ様に焼き鳥メニューを出すシズカのザイルのような神経にもかなり驚きました(笑)


お腹を空かしたアクタガミは、偶然彼の体の中に落ちてきていたらしい果実を発見。早速ご飯代わりに食べてしまいます。

そして彼は天才になりました。

何気に眼鏡も装着され、昔懐かしガリ勉君のイメージ。数千年単位のアイテムの筈なのに中々お茶目。
天才になった彼は、早速ダークシャドウの術を片端から覚えていきます。その能力はなんとゲッコウ様が舌を巻き絶賛する程のレベル。
大喜びのヤイバは早速アクタガミに邪魔なボウケンジャーを倒す為の計略を考えるように指示します。

が、アクタガミにはダークシャドウへの協力を拒み、消えてしまいます。


で、街に出てうろうろしているアクタガミを見つけたのはジャリュウ一族。
「知恵の果実、我らも探している。…見つけたのだな。どこにある?」
…今回何故か情報ただ漏れとゆーか皆さん情報早いです。その割には果実は思いっきり熟してましたけど(笑)

そしてその場面につい遭遇してしまった放浪人・高丘映士
先週のくまさんといい、彼は適当に歩いているだけで野生のカンかなんかでついつい何かを発見してしまうのかもしれません。

予想外の光景に一歩反応が遅れたえいちゃんの目の前で、アクタガミは下っ端ジャリュウ達に知恵の果実を分け与えます。

「勝てぬと知ってプレシャスをよこすとは!」
部下達が天才になり、陛下上機嫌です。

が、天才になったジャリュウ達は、
「最近仕事がきつい気がします」
「もっと労働条件を改善して頂かないと」

………位はまだいい。
しまいには、
「陛下の作戦はいつもいきあたりばったりいけません」
………言っちゃった(笑)
陛下は「余計な知恵を付けおって〜〜〜!」と怒り半分、焦り半分でジャリュウ達と漫才をやりながら消えてしまいます。


「おい……これはどういう事だ?」
あっけにとられたえいちゃんは、とりあえず残ったアクタガミに声をかけてみます。

アクタガミ曰く。
「ダークシャドウは私利私欲しか考えておりもうさぬ」
………そりゃそうだ(笑)
「しかし、拙者はこの頭脳をもっと良い事の為に使いたいのでござる!」
熱弁するアクタガミに、
「…お前、正義と悪の区別がつくようになったのか………?」

えいちゃんは、とりあえず彼をサージェスにお持ち帰りしてしまいます。


「…ふむ、ここがサージェス財団日本支部が秘密裏に組織しているプレシャス回収専門チーム、コードネーム「ボウケンジャー」の作戦司令室という訳でござるな」
珍客の登場に半分固まるボウケンジャー達。

「おい!なんでこんなの連れてきちゃったんだよ!」
「…ダークシャドウを抜けていく場所もなさそうだったし」
真墨と蒼太に捕まった映士がそんな会話をしている間に、アクタガミは蒼太のパソコンからプレシャス情報を引き出して勝手に閲覧しちゃったりしてるし。
慌てた蒼太がパソコンを取り上げ、
「このファイルにはプロテクトがかけていた筈なのに!?(汗)」
「申し訳ない、拙者には解除は簡単でござった」
……蒼太さん、プライドぼろぼろ(笑)

「これだけの頭脳を持つ奴だ。役に立つんじゃないのか?」
驚くチーフの脇でえいちゃんはちょっと得意そう。
アクタガミも、
「拙者決め申した、ボウケンジャーに協力し………」
喋っている途中で急に様子がおかしくなるんだけど、こっそり果実を一粒食べて、
「………この頭脳を世の為に役立て申す」
……宣言終了。

でも素直にまっすぐに信じている映ちゃんとは対照的に、不信感ばりばりな空気漂わせまくりの5人。
えいちゃんは、その事にはまだ全然気がついていない様子。

「…その前に、まず知恵の果実を渡して下さい」
何故その必要が?と首を傾げるアクタガミに、
「知恵の果実がネガティブの手に渡れば、悪魔のような天才が生まれる事になる」

……無理もないけど、彼らはいくらアクタガミが「拙者はもうネガティブではない!」と言っても信用してくれない。それどころかコンビネーションで無理矢理果実を強奪しようとすらする。
ま、天才アクタ君には人間の攻撃なんてすべて見切れちゃうので、あっさり失敗しちゃうんですが。

奪取失敗班の二人の言い分は、
「…悪いけど、君をまだ信用出来ない…」
「プレシャスは人類の大切な遺産だ。お前みたいな化け物に預けられるか!」
真墨の言葉はちょっと酷いけど、でも多分他の面子もそう思ってる。思っていても中々言えない事をストレートに言えるのが彼。

でも、この台詞で流石のアクタガミもキレる。
「その人類とやらが、そんなに偉いのでござるか!?」

この台詞に衝撃を受ける6人。
でもこれは最もな台詞。
だって人間が相手だったら、強奪はしないでちゃんと説得して「平和的に」プレシャスを譲り受けるようにしてるんだから。

…先週の「ハザードレベルで〜」といい、最近のボウケンジャーはなんか自虐に走っている気がする。

怒ったアクタガミは「拙者はボウケンジャーには従わない!」とどろろんの術で消えてしまいます。


ちょっとの間凍っていたものの、早速アクタガミを追う準備を始めるチーフ達に、
「しばらく様子を見ちゃくれねえか?あいつは少なくとも、もうネガティブじゃねえ…」
必死に訴えるえいちゃん。
「どうしてそんなに庇うの?」との菜月の質問に、

「ちょっとばかり…責任も感じてるしな」

そう言って、ひとり部屋を出て行ってしまいます。


……彼は何処に「責任」を感じていたのかな?と考えてみる。

おそらくえいちゃんは、自分がボウケンジャーに受け入れられたように、アクタガミも受け入れて貰えるだろうと疑いもなく思って連れてきたんだと思う。
でもそうはいかない。

拒絶の最大の理由は「化け物」だから。

これが100%ではないにしろ、確かに人間型(シズカみたいのとかね)だったら大分対応は変わっただろうなというのは否定出来ない。まして可愛い女の子だったりしたら尚更(苦笑)
映士が受け入れられたのも、ある意味、『人間でいること』が出来るからなんじないのかなと。例え正気を失ってなくても、白く光る目に真っ白い髪に牙、という外見だったら彼は果たして受け入れられただろうか、と。

逆に映士はそーゆー感覚がすぽっと抜け落ちている事が判明。

彼は自分が人間である事にはこだわっていたけど、それは「人間だ」というよりは「アシュではない」事の方に重きが置かれていたような気がするし、ある意味それすらもどーでも良くなった今となっては、「悪」でさえなければ、人間でも人外でも分け隔てなく等価の存在という認識なのかもしれない。

だって、人間ではない自分の母親の存在を肯定してしまったんだから。
「人間でなければ信用出来ない」なんて思う筈がない。
それを教えてくれたのが、他ならぬボウケンジャーの連中ってのがなんか皮肉とゆうか…。


…えいちゃんはどこまで人間なんだろうなあ?と考えてみたりする。
とりあえず見えてる部分(頭とか手とか)は人間と変わらない。
でも見えない部分は分からない。胃袋が3つあるかもしれないし、その気になれば目から破壊光線位は出せそうな気がする。
「…案外足はウロコびっちりだったりしてね」…なんてトンデモメールを送りつけられた我が相棒は鼻から紅茶を吹きかけたそうです(笑)ごめんよ〜〜!(^^;
いやでも何しろガイやレイと半分同じ種族なんだからあり得なくはないかなあと。…自分で言っときながらあってほしくはないですけど(苦笑)

まあ、『ウロコびっちり』は置いといて(笑)何しろ「東京は汚くなっちまったな…」ですから、見た目通りの年齢ではないのかもな、とは思っています。

色々書いてますが、まあ…彼はボウケンジャーの連中が思ってる程普通の人間ではないかもしれないよなあと言う事で。
だけど仲間達は彼が普通の人間じゃないという部分は忘れてると思う。普通の人間として扱う、それ自体は何も悪くないし、そうじゃなきゃいけないとは思うんだけど、でも完全に忘れてしまったらそれはそれで…良くない事なのかなあと……自分で言ってて良く分からない(汗)

………大分脱線(^^;

ともかくま、菜月のストレートな質問が痛いかなと。
だって裏を返せば「庇う必要があるとは思えない」って事なんだから。



ボウケンジャーと袂を分かったアクタガミは、「この世界は人間に任せてはおけない」と決意。
まずは忍法で空から大量のゴミを降らせ、人々をパニックに陥れます。

そこに駆けつけた映士。
「どうしたアクタガミ、何故人を苦しめる?」
「苦しめる?車やゴミで地球を苦しめている人類に、自分の愚かさを思い知らせているだけでござる!」
いたたたたたたたたたたたたたたたたた!!
痛い!痛い!痛い!(汗)
「確かに人間は……
……お前には愚かに見えるのかもしれない。だがなあ!」

『人間は』の後のしばしの沈黙が気になる物言いの映士。この空白部分で自分を『人間側』にシフトさせたように聞こえてしまうのは深読みし過ぎか。

でも映士もアクタガミから見たら立派な人類の一員。それが言い訳しているようにしか聞こえなかったんだろうなあ。彼は映士の頭の上に集中ゴミ豪雨を降らせて、彼をゴミで埋めてしまいます。

いくら量が多いとはいえ基本燃えるごみなので、それ程重そうには見えないんですが、埋もれたえいちゃんは動く事も出来ません。
つか、何故にトウモロコシの皮がいっぱい。
……どこかの工場のゴミとか??

「高丘殿だけは拙者を理解しようとしてくれた…」
アクタガミは『友情のしるし』として、一枚のお札を映士に渡すと、その場を立ち去ってしまいます。ごみに埋もれている映士は、後を追う事は出来ずただ叫ぶのみです。
変身しろよ。


『…やつはサージェスに…人間に幻滅したんだよ!頭の良くなった自分を信用せずプレシャスを取り上げようとした!』
「…俺たちが悪いってのかよ…」
映士からの通信に悪態をつく真墨。でも真墨だけが悪い訳じゃない。彼は人一倍素直にものが言えるだけ。

そんなこんな話しているうちにも『燃えるゴミ降雨』はどんどんその範囲を広げていっていて、既に東京湾岸半径30km位は大パニック状態。

しかも、
「大変だ!関東の発電所がひとつ突然消滅した!!」
自体は更に悪化。
「こんな事が出来るのは…アクタガミ」
「奴は、残る第三発電所も狙って来ます」
「そうなれば、関東一帯の電力供給は途絶え、大パニックに」
いや、既に大パニックになってますから。
つか、タイムリーな……(^^;
この放送は東京湾送電線断線パニックの直後の日曜の放送でした。ううん、実に絶妙なタイミングっつうか。映画といい………。

ともかくこうなってしまっては、もうアクタガミはまごう事なき人類の『敵』。
通信で話を聞いていた映士ももう庇いきれません。


人間は無駄に真夜中を照らし夏を涼しくする。
その為に石油を掘り尽くし、地球の荒廃が進む。

発電所など要らない。

それがアクタガミの出した答え。

それを『行き過ぎた正義』だと思ってしまうのは、人間である自分の傲慢さなのかなあと。……痛い。


発電所に駆けつけた映士の台詞は、
「アクタガミ、お前…やり過ぎだぜ……」
ワンテンポ遅れて駆けつけた他の仲間達の立ち位置に比べてあまりに不安定。着地場所を決めあぐねてゆらゆらしてる感じ。

だから、仲間達が変身して飛び出していく時についていけない。
かといってアクタガミを庇う事も出来ない。

ボウケンジャーと…人類と、アクタガミ…人外の間でゆらゆら。


そのまま暫くゆらゆらしていた映士でしたが、仲間達がやられて…傷ついて苦しんでいる姿を見ちゃったら…… 。

いつまでもゆらゆらはしていられない。
だってゆらゆらしてたら、仲間達は。

「まて!」
倒れる仲間達を庇うように、両手を大きく広げ、んで思いっきりガニ股で立ちふさがるえいちゃん。その決して格好いいとはいえないポーズが、何故か妙に彼らしくてなんか…イイ!(byテツ)

アクタガミの気持ちは分かる。

だけど。

ボウケンジャーはえいちゃんにとって大切な「初めての仲間」。
そして理由はどうあれ、アクタガミが一般市民を苦しめているのは事実。

だから。

「何故だアクタガミ!…どうしてこうなっちまったんだ!!」
逆ギレ気味に叫んで、アクタガミを止めるしか……ない。
覚悟を決めたように変身して戦うも、天才になってしまったアクタガミは彼の力では止められない。ちょいと戦闘しただけでやられてあっさり素面に戻ってしまいます。

アクタガミは映士を無理矢理に立たせると、
「無駄でござる。拙者には勝てぬ。…高丘殿なら分かっている筈!」
人間(と彼は思っていると思う)でたったひとりの『友人』になんとか説得を試みる。

だけど。

「…お前にも分かっている筈だ。人々を苦しめる行為を俺様達が許す筈はないって事を!」

だけど。

「仕方ないのでござる。拙者には見える…このままでは人類は己の愚かな行いにより滅びるであろう。それを救うのは、知恵の果実を食べた拙者の使命でござる!!」

だけど。

えいちゃんは立ち上がり、アクタガミの体をしっかりと掴んで、

「『使命』ってなんだよ!誰がそんな事を決めた!?」

叫ぶ。

あれだけ「使命」「使命」と連呼していた彼が、叫ぶ。

視聴者もびっくりな台詞だったけど、一番驚いていたのは言った本人だったのかもしれない。アクタガミを離し、放心したようによろよろと数歩下がる。

そして。

「…他に、何か方法がある筈だ。探そうぜ!人々を苦しめず、お前のやりたい道を!」
アクタガミに、手を差し出す。
以前、自分が仲間達に差し伸べられたように。

だけど。

「…しかし、もう時間がないのでござる」

そう呟いた瞬間、アクタガミはいつの間に現れたのか非常に謎なヤイバの凶刃に突き刺されてしまいます。
…ヤイバさん、もちょっと早く来ればシルバーも一緒に倒せたのにね。いやま、素面が刀で突き刺される姿を戦隊では見たくはないですが(- -;;

「…頭が良くなると言う事は…いいことばかりではないのでござる…」
それが、最後の言葉。
アクタガミは操られ、巨大化させられてしまいます。
もう、映士の声は届かない。

「ゴーゴービーグル発進!」と叫ぶチーフ制し、
「俺様がやる……!」とサイレンビルダーを呼び出す映士。

…合体ロボってシリアスな空気をぶち壊す凶悪な破壊力があるなあとつくづく思うんですが(苦笑)ま、仕方ないな(^^;
「頭を冷やせ!」でダブルウォーターシュートには笑いました。確かに冷えそうだ。

「アクタガミ、俺だ!高丘映士だ!!」
映士は必死に叫び続ける。
そして。
「俺とお前の友情の証(『明石』と変換されたよ畜生…)だ!」
先程貰った札を取り出して前に突き出す。っつってもコクピット内でやったって見える訳ないじゃん!!(^^;とついツッコミ。

したら。

急に光り出したお札が映士の手を離れ外に飛び出し(…どっから…)アクタガミに張り付く。

そして、アクタガミは……爆発。


「そんな…友情の証は…暴れるお前を滅ぼすものだったってのか……バカな………」

なんでこうなっちまったんだよと。
額に手を置き、呟き続ける映士。


そして。


…ラスト。
結果的にアクタガミを自分の手で倒してしまった映士。その哀愁漂いまくる背中に、仲間達は声をかける事も出来ません。

映士は「ミッション、完了だ」と一言だけ言ってその場を立ち去ろうとします。誰も何も言えません。

が。
「あ、あれ!」
菜月が指差した先にアクタガミの姿が。彼は生きていたのです。

「お前!生きていたのか!!」
大喜びでアクタガミの側に駆け寄るえいちゃんでしたが、よく見るとこのアクタガミには眼鏡がない。
えいちゃんを見ても「誰?」と不思議顔。
元に戻ってしまったアクタガミは、えいちゃんの事を覚えてはいませんでした。

「知恵の実の効果が…切れたのか…」
なんともはやな複雑な気分に襲われているえいちゃん。
でもアクタガミが「お腹が空いた……」と言えばちょっと寂しそうな笑顔できゅうりを差し出してあげます。
密かに数週間ぶりの野菜です。
きゅうりがお腹のたしになるかどうかは少々微妙ですが、アクタガミは美味しそうに食べていたので、まあ良しとしましょう。

えいちゃんはアクタガミを抱えるように立たせて、
「森の中で誰にも見つからないように暮らすんだ」
いや、絶対無理だから!(^^;
つうかそこ森じゃないって!
さっき後ろにビル見えてたじゃん!!

シリアスなシーンに思いっきりツッコミ。

…勿論、アクタガミにそんな事が分かる訳もなし。彼は素直に森(と言われた場所)に向かって歩いていきます。

えいちゃんはその姿を見送りながら、
「これで良かったんだよな……」
自分を納得させるように呟きます。
「さよなら…アクタガミ…」
途中振り返って手を振ってくれるアクタガミが可愛くもあり、切なくもあり…。
さよなら、トモダチ。


ううん、色々と切な過ぎ。問題は何一つとして解決していないし、更には映士の立ち位置が人間社会の中では大分浮いている、という事が改めて分かっちゃったし。
一気に馴染んだように見えたけど、そう簡単な話じゃないのかなあ。


でも、仲間達が近寄ってきた気配を感じた映士はちょっと戸惑いつつも仲間の方に歩いていったし。
なんだろな、えいちゃんが仲間に出会って色々成長していっているように、仲間達も色々感じ取って、ちょっとづつでいいから成長したり視界を広くしていってくれたらいいなあ、なんて思う。

…なんて事を夜中に冷房の入った部屋の中で書いてました。説得力ゼロです(^^;


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