←HOME デカレンジャー日誌  

prev

index

next
第48話『ファイヤーボール・サクセション』

デカ、残すとこ後3話。(寂)

先週ライオン先輩から、精鋭選抜チーム「ファイアー・スクワッド」、通称『赤い特キョウ』へのスカウトを受けたバン。とんとん拍子に話が進んでしまったようで、今週の冒頭で既に移動の辞令が出てしまいました。早!(汗)
…バンがいなくなっちゃうなんてやだやだやだやだ!!!
と、先週からこねても仕方のないだだをこねてますが、つか、私がだだをこねた所で嫌になるくらいどーにもならないんですが。
先週からどーも気分が沈みがちだなあと思ってたのですが、どうやら『相棒コンビ解消』が思った以上にショックだった模様(^^;考えてみれば昨年(キラーさんとゲラさん)も一昨年(ゴウライ兄弟)も最後まで解散しませんでしたからね(苦笑)

「…地球署としても名誉な事だ。心して赴くように」
ボスから激励の言葉を貰い、真剣な顔で辞令を承諾するバン。
「バン、良かったな!」
「明日は、ホームランだ!」
「ギョクさんの言う事をよく聞いて、足手まどいになるなよ」
次々と仲間達がお祝いと激励の言葉をくれる中、
「でも…バンがいっちゃうとちょっと寂しくなるね…」
ぼそっとウメコが呟いた言葉はみんなの心の中の本音であったようで、一気に暗くなるデカルーム。
でもね、ちょっとどころじゃないって!寂しいよ、寂しいよ、寂しいよ〜〜!←本音
…つうか、いろんな意味で、デカベースは静かになると思われます。

急にどんよりしちゃった空気に困ったバンは、
「良し、じゃあ新リーダーはウメコだ!」
とばしっと彼女の肩を叩く。大喜びのウメコ。
つうかお前がリーダーじゃなかろうがバン。
バンはその後「後は任せたぜ!」とホージーをばしっと叩き、デカルームから出ていってしまいます。残されたのは「もともと私がリーダーなのに…」と呟くウメコの言葉。

……とりあえずバンの代わりの人間がちゃんと派遣されてくるのかどうかが心配です(^^;


で、デカルームを出たバンはレインボーブリッジを見ながら黄昏中。…デカベースは一体どこにあるんだ??
「先輩!ここにいたんですか!!」
そこにテツがやってくるんですが、振り返った先輩はテツがしかめ眉で首を傾げてしまう位までの苦虫潰し顔。その憂鬱な横顔ははどことなくギター侍風。…ギター侍すみません(^^;

で、バンは自分がいなくなった後の地球署の事を考えて憂鬱になっている模様。
「大丈夫ですよ、みなさんプロフェッショナルじゃないですか!」
「…だからだよ。あいつらには俺みたいな火の玉が側にいないと駄目なんだ」
「火の玉?」
「枠とか仕組みとか、そーゆー固っ苦しいもんをば〜〜〜ん!とぶっ飛ばすとゆうか、ハートにど〜〜〜ん!と火をつけるような奴がいないと、…みんないまいち弾けらんないんだよ」
……ま、確かにそうなんですけどね。
でもバン本人にそう言われちゃうとなんつうかかんつうかっつうか(^^;

バンは『戦隊レッド至上最低のIQを誇る風格すらある』と某TV誌に書かれちゃうような知能よりも野生のカン!って感じの奴ですが、中々どうして頭が回る印象がありますよね。むしろ場面によっては頭が良さそうな印象すらあったりもする。…素の役者さんの影響でしょうか。


しばらく黙って話を聞いていたテツ。
「…俺がいるじゃないですか!!」
後輩の突然の発言に「は?お前が??」と困ったような笑顔を浮かべるんですが、
「任せて下さい!先輩の代わりに俺が火の玉になりますよ!!」と迷いなく言う後輩に、
「…お前も言うようになったなあ!」
とにっこり笑顔。その言葉にテツも嬉しそうに笑います。

…テツは特キョウで地球署には仮住まいの身分、という事を、本人もバンも忘れきっている模様です。いや、彼等だけでなく全ての人が忘れきっているような気すらします(笑)

「…テツはでかい事言ってたけど…やっぱまだ任せらんねえよな〜〜!!」
パトロール中らしいバンはドーベルマンを路肩に停めて河原でひと休み。…あれ、違法駐車じゃないのかなあ(^^;
バンがこんな風にぶつくさ言ってるのを知ったら、他のメンツは「お前が俺の心配をするなんて100年早い!」とか「そんな風に心配されちゃうなんて、ちょっと傷付いちゃうよね〜?」とか「バンの癖に生意気!」とか「バンちゃんも言うようになったわね♪」とかそんな感じで、しんみり気分なんてあっさりふっ飛ばして怒ったり笑ったりして、ついでにシャキンとしそうですけど。
今年の戦隊は公務員なので、最終回が来ても解散はしないだろうからある意味寂しくなくていいな〜と思ってたのですけど、ここにきて「転勤」という強敵が現れようとは。

ちなみに現時点での最終回の理想系。
・バンはファイアー・スクワッドに転属。
・ホージーは特キョウに転属。
・ボスは宇宙警察長官に昇進、本部に転属でスワンさんもついていく。
・代わりに地球署署長にセンちゃんが就任。スワンさんの代わりにフローラが地球署にやってくる。
・ウメコはセンちゃんと結婚して寿退社。
・…ジャスミンはどうしよう(^^;ボス達について行かせるかな。
・…テツもどうしよう。ホージーと一緒に仕事もいいけどそれじゃ芸がないなあ…はて(汗)
とまあこんな感じで3年後か5年後に再会、とか。 …夢見過ぎでしょうか(苦笑)


…てなんで大分脱線してしまったので本編に戻ります(^^;


黄昏れてたバンの耳に「どろぼ〜〜!」との声が飛び込んでくる。
アリエナイザーによる車強盗で、バンはドーベルマンで追い、簡単に追いつめる。
でも追いつめたアリエナイザーは「…やったのは俺じゃないんだ、信じてくれ!!」と謎な台詞を吐いて、バンの眼前で拳銃自殺をしてしまう。
それを止められなかったバンは「なんでいきなり…?」と燻しがりながら、遺体となってしまった犯人のそばに落ちていた赤い液体?の入ったカプセルに気がついて手を伸ばして……。

その時、遺体から触手のようなものが伸びてきて……………!!!



遅れて駆け付けた仲間達の前で、何故か背を向けて準備体操をしているバン。
「…バン、何やってんの?」
その傍には、絶命したアリエナイザー。
「…バン、何があったんだ?」
相変わらず背を向けたまま体操をするバンの手には、先ほどのカプセル。
「…バン、それってココカプセル?」
「『ココカプセル』って、大量破壊兵器用圧縮エネルギーが詰まった違法危険物…」
仲間達が少々説明的な台詞を言っている間もバンは無言。ひたすら体操をしている。

「…何黙ってんだ。一体何があった?」
ホージーが声をかけたその瞬間、バンはドーベルマンに乗り込み、いきなり走り出してしまう。

…何がなんだか分からず一瞬唖然とする仲間達。
「テツ、バンを追うぞ!!」
真っ先に我に帰ったホージーの指示で、機動力自慢のバイク組二人がその後を追いかけます。


最高速度はドーベルマンの方が上なので(ドーベルマンは500km、バイクはどちらも300km代)直線道路で普通に考えたら追いつける訳ないんですが、何故かあっさり追い付くバイク組。…実は加速までに時間がかかるのか、ドーベルマン(笑)てゆうか画面を見る限りは300kmどころか法廷速度内でしたけど(爆)
「何やってんだ、バン!」
「先輩、停まって下さい!それが火の玉的行動ですか??」
バンは二人の叫びを無視するどころか、なんと窓からシューターを向け二人に向かって銃弾を叩き込んでくる。慌てて蛇行運転でなんとか避けるバイク組。

相手は2輪なんだからタイヤを撃てば早いのに。
…いや、宇宙警察のバイクなんだから、タイヤにも防弾機能位ついているのかもしれませんが。もしくは自動パンク修理機能とか。

「どういうつもりだ、バン?!」
当たり前の怒りをぶつけるホージーでしたが、バンから返事は帰ってこない。どころかさらに加速して二人を引き離そうとします。


そんな不審行動ばりばりのバンに一体何が起こったのか。
…は、ジャスミンの透視であっさり判明。

「ホージー、テツ、気をつけて!バンは今、操られている!!」
「え?」「なんだって??」
センちゃんからの通信に驚く二人。
…またかよ(^^;

ジャスミンの透視によると、犯人はクラーン星人ジェリフィス。クラーン星人は他の宇宙人に取り付いて、その触手を相手の神経と結びつけて意のままに操る能力を持つと言う。それは宇宙法で固く禁じられてるのだけどジェリフィスは常習犯でそれを平気でやってのけると言う。

……宇宙には危険な宇宙人がいっぱいです。
なんとか対策を取れないもんなんでしょうか、宇宙警察。力と装備を持つ署員が乗っ取られたら大惨事になるのは目に見えてるじゃないですか!!

とりあえず、この時点で「エイリアンに取り憑かれやすい体質」大賞はホージーからバンに譲渡決定です(笑)


「良かった、先輩ご乱心じゃなかったんですね!」
安心したようににっこり笑うテツ。いや、笑ってる場合じゃないですから。バンの口の中になんかあんま嬉しくなさそうなものが入ってますから(汗)つうか口から入っても神経には届かないと思うんですけどねえ(苦笑)喉を切り裂いて触手を絡ますのかな。…でもしたら本体死んじゃうし。ううむ。
その前に神経に直接触手を絡ませた時点でショック死しそうなもんですが。宇宙の神秘。

「ジェリフィスを捕まえるぞ!テツ」
ホージーの指示で、早速捕獲作戦開始。

まずテツがボクサーに乗ったまま変身して、ドーベルマンの前に回り込み、ブレスロットルで車体を強引に停止させる。その後続いて後方にいたホージーがDスナイパーでドーベルマンを攻撃。ドーベルマンは煙を吹いて走行不能になってしまいます。

……あれ?
マシンドーベルマンのボディってSPメタルファイバーと特殊ポリマーのハイブリット素材でミサイルやビームの直撃を受けてもびくともしないんじゃなかったですっけ?(^^;
そ、それだけDスナイパーの威力が凄いってことなんでしょうか。…『4km先の直径2mの鉄球の中心も打ち抜ける』というすごいんだかなんだか非常に分かりにくい微妙な性能を誇るこの武器が(笑)そもそも4km先が視認できるんだったらその事の方が凄い気がするんですけど。

…ともかくまあ、バンは動かなくなったドーベルマンを捨てて逃走。二人もマシンを置いて後を追います。


倉庫街の奥に逃げ込んだところでやっとバンが振り返る。
「相棒、後輩、気をつけろ!!こいつは………!!」
あれ?バン喋れるんだ??と思ってたら、台詞途中でいきなり苦しみ出す。そして背中から触手のようなものがば〜〜!っと生えたと思ったら、左肩口から青い逆三角形で一つ目のアリエナイザーの頭部がぴょこっと現れます。
……………………。
すんごいかわいい。
……一つ目に弱いんです。とことん(^^;

「…余計な事を言うんじゃねえよ」
バンの肩に生えた可愛い一つ目くんが低い声で喋ります。気分は腹話術。
彼はバンに取り付いたまま、いろいろうるさく言ってくる青くん白くんににゅーっと触手を伸ばしてくる。
それを取りあえずスナイパーで撃つホージー。
したら何故かバンも苦しみ出す…。

ホージーとテツは何が起こっているかを瞬時に把握し、追い付いてきた3人がジェリフィスに銃口を向けるのを慌てて止める。

「…分かったか、俺を撃てばこいつも苦しむ、俺をやればこいつもやられる。神経を共有しているからな。味わう苦痛も一緒なのさ!!」

「……よくも人の体を……!」
自分の肩の上でゆらゆらゆれるぬいぐるみを憎々しい目で睨み付けるバン。
でも一つ目君はそんな視線は全く気にもせずに、
「…離れる時はこいつの心臓が止まる時だ!」
と仲間達の心臓を止めそうな台詞を言う。

ジェリフィスさんは地球がいたく気に入ったそうで、この星を自分の別荘にする事に決めたそうです。しかも自分の住みやすいように陸地を全部水没させて。
…地球は70%が海の惑星なんです。わずかな陸地をわざわざ水没させなくても水だけの場所は山のようにあります。止めませんので、太平洋の真ん中でも大西洋の真ん中でもお好きにお使い下さい。多分誰も文句は言いません(笑)あなた自体はけっこう小さいんですから、それで充分でしょう!!
……と思うんですけどねえ(^^;

でもジェリフィスさんは完璧主義らしくて、今まで水没させた星は既に8つ。
「ここが9個目だ!!」
言うが早いが言葉だけで抵抗するバンを無視してエマージェンシー、Dマグナムを容赦なく撃ち込んでくる。咄嗟の事で避けられず、それをもろに喰らって倒れてしまう仲間達。
「相棒!!」
「…あばよ、スペシャルポリスの坊ちゃん、嬢ちゃん達!!」
何故かホージーだけに言葉をかけるバンの体を操り、倒れているデカレン達の間を悠々と歩いて立ち去ろうとするジェリフィスさん。

「…………まて」
「?」
「先輩とココカプセルを何処に持って行くつもりだ?」
なんとか立ち上がったものの、余計な事を言ったためにさらに銃弾を叩き込まれてしまうテツ。その間もバンは「辞めろ!」と連発してるんですが、声を出す以上の事はなにも出来ないらしく、ジェリフィスさんの思うがまま。

バンはビョーイの時も「苦しかった〜!」とか言ってたので、多少なりと意識はあったのかもしれませんが、今回は表面的にも完全に本人の意識が残っていたので、見ている方があたたたた(汗)これなら代わりのボディを与えられ、いざとなれば自分で自分を殺すことの出来る状況だったホジさんは大分ましだったような気すらしてきます。

「今度会う時は、海の底だぜ!」

バンは肩に可愛子ちゃんを乗っけたまま、マシンハスキーにまたがる。性能的にはボクサーの方が上だと思うんですけど、やっぱ一輪車ボクサーの運転は早々出来るもんじゃないんですかね。まあ、CG合成が大変とかそんな大人の事情でしょうけど。
「…ココ・カプセルだけじゃ地球を水没させるなんて無理だ」
「知ってるよ。アブレラがポイント512の灯台に起爆装置を用意してくれてるんだよ、相棒」
「…相棒っていうな」
「じゃあ『先輩』かな?」
「生憎、俺の『相棒』と『後輩』はひとりしかいない」

…バンが「相棒って言うな」って言ったよ…。新鮮…。
つうか「相棒」はともかく「後輩」もひとりだけなんですね(^^;予想以上に一途なバンバン。この調子だと「友達もひとり」とか言い出しかねませんが、流石のバンでも「な、友達♪」と話しかける事はないだろうと(笑)まあ、いくらでもバリエーション増やせそうですけど。

 

目的の灯台のある岬についたバンはハスキーを捨て、華麗に空中一回転ジャンプで着地。…でもその肩にはゆらゆら揺れる三角一つ目くん。…なんて可愛いんだ。
バンはなんとか一つ目くんの支配から逃れようと抵抗するんですが、全く効果はなく、ちょっとぎこちない感じで灯台に向かって歩きはじめます。

その足下に降り注ぐ銃弾とともについさっき立てなくなるほどのダメージを負った筈の仲間たちが登場。しかも空中回転までして。…タフ過ぎ(笑)

「なんだあ?折角見逃してやったのによ!」
「みんな!起爆装置はあの灯台だ!そっちを先に!!」
腹話術の二人一組は赤が欠けた戦隊のメンツにそれぞれの言葉をかける。
「分かった、二手に別れるぞ!!」
なんの相談もなく、ホージーとテツが灯台に向かって走り出し、残りの仲間はバンの足留めにかかる。この二手の別れ方って非常に不思議。じゃあどうなら不思議じゃないのかと言われると悩みますが…とりあえずホージーとテツが一緒に動くのは珍しいかなと。
…今日はバン&テツ主役回の筈なのに、すっかり相棒後輩祭りになっているような気がします(^^;

そんなんで、なんとかジェリフィスの作戦を阻止しようと必死になる赤が欠けたデカレン達でしたが、ジェリフィスとゆうかバンが強い強い。足止め役の3人を簡単に蹴散らして、灯台役の2人の前に舞い降りDマグナムとジュウクンドーで5人を軽くあしらう圧倒的な強さ。でもその肩にはずっと一つ目くんがゆらゆらゆら(笑)そこだけ妙に微笑ましくて、緊迫した画面に合わない事合わない事(^^;

そして、とどめはハイブリッド・マグナム。
これまた正面からまともに喰らってしまった5人は素面に戻ってしまいます。

「みんな!!」
苦しそうに悶える仲間達を前に、言葉はバンでも行動はジェリフィス、マグナムをホルスターにしまう。
そのまま、笑いながら灯台の方に歩き出したその時。

………一発の銃弾が無防備なバンの背中を襲う。
変身してたからちょっとよろめいた程度でしたが。

撃ったのは、ホージー。
傷付いた体をどうにか起こして、真剣な面差しで堅くしっかりとシューターを握りしめている。
…他のみんなはまだ苦しんで転がっているのに、いち早く立ち上がってくるのは流石は体力自慢。彼は頭脳系(コンピュータ系)も強いのに体力もあるという、しかも努力系というかなり反則的なパーフェクトキャラですが、その割には出来杉くんにならないのは何故だ(笑)

「……相棒!」
「てめえ…俺を撃つってことがどういう事だか分かってるのか?」
訝しげな声の一つ目さん。
いや、ホジさんは明らかにバンの背中を撃っていました。
どうせ撃つなら一つ目さんを撃てばいいのに…。

一つ目くんの問いには答えずシューターを構え続けながらなんとか立ち上がるホジさん。
その顔は微妙に悲痛そうでしたが、それでも必死な真剣さが勝っているような感じだったんですが、
「そうだ相棒、俺を撃て!」
……その言葉に瞳が泳ぐ。
「…俺を撃つんだ!こいつをやるにはそれしかない!!」
銃を構えるホージーも、ようやく立ち上がってきた仲間も驚愕で凍りついてしまっている。

「…ほ〜お?じゃあもっと撃ちやすいようにしてやるよ」
ジェニフィスさんは面白そうに呟くと、バンの変身を解く。

そしてバンの両手を広げ、無抵抗・いかにも撃って下さいどこでも撃って下さいポーズを取らせる。バンが素顔のバンに戻ってしまった事で、みんな息を飲んで更にフリーズ状態。

「…やるんだ、やらなきゃこいつの地球はせいでめちゃくちゃになっちゃうんだぞ!」

……そんな事言われたって。
銃を構え続けるホジさんの瞳も、もう動揺の嵐。

真っ先に目を背けたのはウメコ。続いてジャスミンも目を閉じてしまう。
センちゃんとテツは目こそ反らさなかったけど悲痛そうな顔でフリーズ。
「……仲間は撃てねえよな」
この言葉に、とうとうホージーもシューターをホルスターに戻してしまう。

…ホージーに撃てる訳がない。
元親友や恋人の弟を自らの手で撃った彼が、この上相棒までその手で、なんて。
せめてバンが目の前で一般人に襲いかかるとか、起爆スイッチを押すその瞬間とかだったら、半分条件反射的に撃てるかもしれないけど。例えその後どんなに後悔しようとも深い傷になろうとも、地球と人の命を守るために。

でも、今は撃てる訳がない。
ここで撃てる位なら、きっと彼はヴィーノの形見のブレスを今もなお持ってたりはしないだろうし、特キョウにも行ってたと思う。
バンになんと言われようと、撃てる訳がない。
てか、撃てってのはあまりに酷すぎると思う。

…………………でも。
だったらジェリフィスの本体を撃てばいいじゃん!(笑)
結局バンも痛みのあまりに死んじゃうかもしれないけど、体を直接攻撃するよりは明らかに助かる可能性が高いと思いますし。
…どうしてどいつもこいつも直接バンを撃ちたがるんだ(苦笑)


ともかくまあバンだって必死。
自分の体を乗っ取った奴が地球を滅ぼすのを黙って見過ごす訳にはいかない。地球の為には自分の命なんて惜しくないなんて柄じゃないけど、でも他に方法がなければそれを選ぶしかない。

しかもバンはよくも悪くも即断実行、直情径行、短気で我慢なんかしてられない。
目の前の仲間たちが自分の命を惜しんでためらっているのが許せない。

「…お前らそれでも刑事か!そんなことだから俺は…ファイアー・スクワッドに行けないんじゃないかよ!」

その言葉にはっとする仲間たち。
テツ以外のメンツはここでやっとバンがバンのいなくなった後の地球署の事を心配していた事に、自分達の心配をしていた事に気がつきます。

いつもなら「ヒヨッコのお前に心配される筋合いはない!!」とか怒鳴りたい所なのに。
……なのに言い返す事も出来ない。
ましてその命を奪う事なんて出来ない…したくない。

体が動かない。
心が状況に追い付かない。そんな感じ。


そんな中、テツは冒頭のバンとの約束を思い出す。
『俺が先輩の代わりに、火の玉になります!!』

「…頼む!!」
バンの声に決意を決めたテツ。
ぐっと拳を握りしめた後、ゆっくりと前に歩き出す。

そして、変身してブレスロットルを構える。

「やるんだ、後輩!!」
「先輩…行きます」

一直線に走り出す。
驚く一つ目君の言葉は無視して。
後方のホージーの「テツ、やめろ!」の声も放っておいて。

そして。

特キョウ必殺の電撃拳をバンの心臓に叩き込む。

どうせ撃つなら一つ目さんを撃てばいいのに…。

一瞬顔をしかめたバン、でも後すぐにっこりと笑って、
「…やったな、後輩。後は…お前にまか………」

言い終わらないうちにバンの心臓は停止。

慌ててバンから離れる寄生虫一つ目くんに、慌てて駆け寄る仲間たち。

一つ目くんはその後テツに取り憑こうとするんですが、ファイアー拳に返り討ちにされてしまう。つうかどうせ取り憑くならある意味無防備になっている後ろの4人に取り憑く方がずっと楽だと思うんですが。怒りは判断を狂わせるとゆうかなんつうか。


一つ目くんを追い払ったテツが振り返ると、そこには倒れたバンの傍に跪く4人の姿。
なんとか涙を流すまいと呼吸を整えようとしているホージー。
泣き崩れる女性陣。
切なげな瞳で唇を噛み締めるセンちゃん。

「…テツ、あんたのやったこと。正しいと思う。けど納得出来ない!しないから!!」
「やめるんだウメコ!」
「でも!」
「正しいと思ってるんなら…言うべきじゃない」
感情爆発で叫び出すウメコを諌めるセンちゃん。この辺流石センちゃんは冷静。

一方。
「俺がやるべきだったんだ……」
女性陣とお友達になって地面に手をついて半べそ状態のホジさん。弱いと言うのは簡単だけど、この弱さが彼の最大の弱点であり、そして人間味を見せる魅力でもあり。そして彼はこのシュチュエーションは二度目。しかも彼は…バンの…本人には決して言わないだろうけど…相棒。

これでいいのかどうかは置いといて、こんな彼だからこそ私はこの一年応援し続けたんだと思います。


テツは泣いている先輩たちを無視してバンの傍に跪き、ブレスロットルを構える。
そして、その左手をバンの心臓の上に構えて…電撃拳を打ち込み始める。
「…なにしてんだ!」
やっと現実に戻ってきたホージーの叫びなんか聞いちゃいない。
てゆうか心臓マッサージかよ!!(^^;…どんどん一人救急救命隊のようになっていくテツ。

「先輩、起きて下さい!」
ぶるんぶるんぶるん。

「正義は必ず勝つんでしょ?」
ぶるんぶるんぶるん。

「はじけて下さい、先輩!!」

一瞬バンの体がぴくっとなったかと思ったら、その後こほこほ咳き込み出す。
涙こそ見えないものの目が真っ赤なホージーが、
完全に涙の後の残る女性陣が、
ある意味普段とあまり変わらないセンちゃんが、

…びっくりする中、バンは意識をとり戻す。

便利だ、ブレスロットル!!
消火活動もできて、心臓マッサージまで出来る。
絶対特キョウよりも救急隊に装備した方が有効利用出来ると思います。
つうか、炎に水に雷に風に大地。…これであと冷気系が使えればRPGの魔法戦士になれそうです。とゆうか来年の魔法戦隊に登場しても何の違和感もないかもしれません(笑)

「…なんだよ、折角死んだじいちゃんと河原で話してたのに…」
「ナンセンス!そんな暇はありませんよ。起きて下さい!!」
変身を解いたテツがバンが起き上がるのに手を貸す。ホージーも慌てて逆サイドからそれを手伝う。

「…どう言う事?」
「…まさか電撃でバンを仮死状態にして、ジェニフィスが離れた後でもう一度蘇生させるつもりだったのか…?」
先輩たちの問いにテツはにっこり笑って、
「先輩なら絶対大丈夫だと思ってましたから!」
その言葉に答えるようににっこり笑うバン。

「…無茶するよ、ホント……」
呆れたとゆうかとほほ状態の保けた表情を見せてくれたセンちゃん。
「まるでなんとゆうか、ジャストライク」
気が抜けちゃって苦笑状態のホージー。
「バンみたい!」
「まさに!」
明るく笑う女の子たち。

すっかり復活したバンは悪童みたいな笑顔を浮かべて、
「…とんでもない。俺以上に火の玉野郎だぜ!…でもこれなら俺もファイアー・スクワッドにいけっかな」
その言葉に仲間たちもにっこりです。

まあまあまあ、すっかりへたれてしまった地球署の先輩達の代わりによくやりました、テツ!彼は腐っても特キョウで、やっぱり一歩上のエリートなんだなあと見直しました(笑)


その後ジェリフィスさんは怪重機に搭乗。
6人でスーパーデカレンロボで立ち向かいます。


そこに。

「…案の定失敗だったか。ま、ジェリフィスならこの程度だろう。ま、ここからだ」
夕暮れで真っ赤な夕日を浴びながら呟くアブレラさん。

そして、彼は怪重機に乗り込む。
「ジェリフィスは私の本来の目的を果たしてくれた。今の地球署はからっぽだ」

そして怪重機をでっかいドリル型に変形させ、そのままデカベースに「どーんと行ってみよう!」

デカベースに鳴り響きわたる警報。
「どうした!?」
「敵の襲撃です!一階部分、応答が途切れました!!」

襲撃っつうかまあ襲撃なんですが。
なんであんな大きいのがあんな傍にくるまで誰も気がつかないんだ…(汗)
人手が足りないデカベース、監視員が足りなかったのかなあ……(- -;;


ジェリフィスさんのジャッジ×をとっとと貰って、さて、デリート!という状態だったデカレンジャー達の元に通信コールが鳴り響く。
「第一級非常事態発生よ!デカベースに謎のマシンが突入して、多数のメカ人間が侵入してるわ!!」
スワンさんからの通信で、やっとデカベースの危機を知る。

そのスワンさんの言葉通り。
デカベース内を大量のアーナロイド&バーツロイドが走り回ってるという超ドロイド祭り開催中。
そして必死に応戦するけど、全く歯が立たないあまりに哀れな一般職員さん祭り。


そしてドロイド集団の真ん中を悠々と歩くアブレラさん。
敵の首領みたいでかっこいいです(笑)


廊下には倒れる一般職員さんの姿。
現在ベースに只ひとりだけの戦士であるボスは必死に走る。あ、デカスワンもいるか。

デカレン達はジェニフィスに足留めを喰ってベースに戻れない。
何にしろ、いつも6人みんなで出撃してしまうというのはあまりいい事とは思えません。その最中にちょっと別の事件が起こったらこのざまです。

 

最終回間際の超シリアス展開に、本日のエンティングコントはお休みで本編の続き。
相変わらず敵ボス風風格で取り巻きを連れて歩き続けるアブレラさん。
「デカベースはこのエージェント・アブレラが頂く。さあドギー・クルーガーよ、どう出る?」

強いぞ、アブレラ!かっこいいぞ、アブレラ♪♪
残りあと2週。
本気を出したアブレラさんのビッグ・プロジェクトが(やっと)始まります。


prev

index

next
←HOME